エルフ

小説

第6話 廃屋にて

紺のローブに身を包んだ男が深夜、人気のない廃屋の前で佇んでいた。歳のころは二十代後半。貴族を思わせる整った顔立ちをしているが、ボサボサの髪と無精髭がその魅力を損なわせていた。右手には先端に大きな宝石をあしらった杖、左手には白銀に輝く小剣を...
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第4話 エルフの村にて

村の守り神として崇められている巨大な神木を前に、愛を誓い合う一組の男女がいた。どちらもため息が出るほどの美しい容姿だが、人間に比べて耳が大きく、尖っている。そして、そのことは彼らの取り巻きにも言えた。彼らはエルフだ。エルフは妖精に近い種族...
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第2話 冒険者の酒場にて

―――英雄の国 邪神殺しの王アンデル・パラミオンを筆頭に、剣聖リグ・ラーハルト、真の騎士ラミアス・エリオットといった名だたる英雄たちを擁するここミスタリア王国は人々からそう呼ばれている。また、莫大な財宝の眠る遺跡や恐ろしい魔物の闊歩...
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いろんな冒険者たちが頑張って世界を救う話

駆け出しから英雄まで様々な冒険者たちの活躍を綴った物語です。冒険者たちの様々なシチュエーションよる冒険譚をご覧ください。 駆け出しから英雄まで様々な冒険者たちの活躍を綴った物語です。彼(彼女)たちの様々なシチュエーションよる冒険譚を...
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第1話 地獄の裂け目にて

「その儀式をやめろ!」 若い男の怒号が広い室内に響き渡る。しかし、それに反発するかのように禍々しい祈りの声はより一層激しさを増した。 ここは「地獄の門」と呼ばれる十の階層からなる迷宮の最下層。ごつごつした赤褐色の岩肌が露わな部...